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価格(税込)
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\550,000 |
商品番号
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【5819】 |
英 名
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Vetterli M1870 Police Carbine |
種 類
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ボルト・アクション、ガゼット Vol.18、東京店在庫品 |
国 名
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スイス |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,144mm |
口 径
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10,4mm×47R |
装 弾
数
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7発 |
在 庫
数
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限定1品 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【ベテェーリ M1870 武装警察騎兵銃 について】
ベテェーリ 小銃は1869年から1889年までスイス軍で使用された制式小銃です。 スイスの中立を支えてきたシュミット・ルビン 小銃の一世代前の主力小銃です。
特殊なロッキング・ラグを持つボルト・アクションシステムとチューブ・マガジンを合わせた独特のシステムであり、当時の代表的な小銃であるドライゼやシャスポーとは異なるボルトの動作によるシステムは先進的で、尚且つ軍用としては比較的早い時期の連発銃として、採用当時は最新鋭の銃と言えました。
連発銃が日進月歩の時代でもあり、このベテェーリも常に変化を要求され、細かいパーツの改善から始まり、短縮型や生産性の向上、さらにはセット・トリガーを組み込んだシャープシューター仕様などがありました。 使用する弾薬も口径の大きさには変化はなかったもののと無煙火薬の両時代を跨ぐようにどちらも対応していました。
ベテェーリ小銃はスイス人の銃器デザイナーであるヨハン・フリィドリッヒ・ベテェーリ (Johann-Friedrich Vetterli) が開発しました。ベテェーリはSIG社の兵器部門 (Schweizerische Industrie-Gesellschaft Waffen-Department) に1864年に入社していました。 1866年12月6日にスイス軍は新しく連発銃を採用する事を決定しましたが、当時のスイスでは候補に上がる銃はありませんでした。 1866年にすでに単発ながらも独自の機構を持つボルト・アクション ライフルを開発していたSIG社のベテェーリに新型連発銃の開発を委ねられました。 ベテェーリのアクションは他にはない独自性がありましたが、意外にも1850年代に英国で開発されたテリー小銃にルーツがあるとも言われています。 その機構にアメリカの連発銃のアイデアが盛り込まれました。1867年に試作品が完成し、1868年2月にスイス軍の正式小銃「Schweizerisches repetiergewehr Modell 1867」として2万挺の発注が決まりました。 1867年から始まった前装式を後装式に改造する「Milbank-Amslerシステム」とほぼ同時に開発された事になります。 ベテェーリ・システムは一分間に21発の連射を可能(弾倉に12発、薬室に1発の装弾数は合計13発)とし、後装式とは言え単発の「Milbank-Amslerシステム」に取って代わるには十分な性能を誇っていました。 しかしながら試作品の域を出ていない「Modell 1868」は、その後外部に露出したハンマーを撃針(正確にはTwin-prong firing pinと呼ばれるU字型の撃針を叩くストライカー)を内部に備えたボルトに置き換え、1868年8月に「Modell 1868」として現在一般的にイメージされるベテェーリ小銃の形になりました。 このボルト・システムは1866年にはすでにベテェーリが試作品まで作っていました。 最初のベテェーリ小銃となった「Modell 1867」は2万挺の発注はありましたが、現存数から数千挺(一説によると二千挺のみ)に留まったと言われています。
ベテェーリ・システムの特徴は当時 (1860年代末) としては画期的なボルト・アクション・システムとマガジンを含む給弾装置にありました。 ベテェーリの給弾装着はウィンチェスター M1866のような給弾エレベーターとチューブ・マガジンになっており、ボルトは独自の形状でレシーバー上の大きなチューブ型内に収まっていました。 レシーバー右側面には装弾用の楕円型の孔が開いていますが、その孔から侵入するゴミを防ぐカバーは付いたモデルと付かないモデルがあります (ウィンチェスターとは異なる構造のカバーです)。 ベテェーリのボルトは正式なターン・ボルトではなく、ボルト・カラーと呼ばれるチューブ型の部品がボルト・ハンドルと一体になっており、ボルト・カラーはハンドルと一緒に回転しますが、ボルト自身は回転しません。 通常はボルトの先端にあるロッキング・ラグはボルト・カラー後部に二つの三角形の突起としてロッキング・ラグがありボルトの後退を防ぎました。 またボルト後部にあるプレス製のチューブ型メイン・スプリング・カバーとそれにねじ込み式になったボルト・キャップが付いていました。 それらの中に太くて短いメイン スプリングが入っていました。 ボルト・アクション・ライフルでこのような形状のメインスプリングはベテェーリだけのものでした。 これらはコッキング・ハンドルとは連動しておらず、コッキング・ハンドルを回転しても動きませんでした。 ボルト・ハンドルを起こしてボルトを引くとエキストラクターが空薬莢を薬室から引き出し、ボルト内部の撃針はバネの張力を得てボルト内部後方でコックされ、トリガーを引く事によって撃針がリリースされました。 正確に言うとボルト内後部に下がるのはストライカーと呼ばれる撃針のような棒で (出っ張り) が上下に出ていました。 その前方正面が「U」字形になったリム・ファイア用の撃針 (Twin-prong firing pin) が別部品で付いていました。 この「U」の字の出っ張りが薬莢 (10,4mm×38R) の底部両端 (縁) を打撃して縁に内蔵された発火薬 (Priming Compound) が点火しました。
マガジンはウィンチェスターと同じように銃身と平行に装着されていますが全て完全にハンドル・ガード内部に収まっており、外部からは見えず、ウィンチェスター ライフルの弱点の一つであったマガジンの外部からの損傷による給弾システムの不具合は比較的起こりませんでした。
ベテェーリ M1870 警察騎兵銃は1870年にGendarmerieと呼ばれるヨーロッパでは戦時には陸軍の一部となって戦闘にも参加する武装警察の騎馬部隊 (陸軍の騎兵に相当する) 用に改良された一種の騎兵銃です。 しかしながら歩兵銃の特徴を持ちながらも全長は歩兵銃より短く、騎兵銃よりも長い、取り回しの容易な歩兵銃という陸軍の騎兵用とは異なった仕様になっています。 1870年の採用で装弾口カバーや遊底覆が付くなど初期のベテェーリ 小銃の特徴をよく残しており、生産は1870年のみと言われていますが、生産数も公式な記録は残っていません。 銃身長が短くなった分歩兵銃が銃身の下のチューブ型弾倉に歩兵銃が11発(+薬室に1発)装填出来たのに対し警察騎兵銃は弾倉に7発となっています。 明治初期に国産小銃開発の為に数挺のベテェーリ小銃が輸入されたと言われていますが
それらは1869年(明治2年)から1879年(明治12年)の間に合計15万挺が生産された「Modell 1868」の数挺でしょう。(MM)
【本個体の説明】
本品の機関部左側面にはシリアルNo.と共にSIG(Schweizerische Industrie-Gesellschaft )のフランス語名を示す「SOC. IND. SUISSE」及びフランス語でベテェーリ・システムの意味である「SYST. VETTERLIN」の刻印が入っています。 また、薬室上面に「JD」の刻印が入っている他、薬室左側面やボルト・ハンドル、メイン・スプリング・カバー、ハンドガード、バット・ストック等に「S」と十字を組み合わせたプルーフ刻印が確認出来ます。 シリアルNo.は機関部とハンドガードでマッチしています。
本品は全体に使用感も少なく、製造された時代を考慮すると非常に良好なコンディションが保たれています。 機関部やボルトといった金属部は白磨き仕上げとなっており、若干の時代錆や擦り傷は見られますが、目立った朽ち込み等は見受けられません。 銃身については経年によりブラウン・パティーナと呼ばれる時代錆が表れて良い雰囲気となっています。 その他の金属部についても僅かな表面錆を除いて欠損等は見られず、総じてコンディションは良好です。 美しい艶の有る仕上げが保たれた銃床についても、保管上避けられない打ち傷や線傷を除いて目立った割れや欠け等は見られず、ハンドガードの滑り止めのチェッカリングや各部の刻印についてもはっきりと残っています。 傷み易い銃床については、白磨きの仕上げにやや表面錆が散見されるものの、朽ち込みや変形等は見られず、銃床への取り付けについても目立った隙間は見られません。 前後のバレル・バンドの取り付けにもガタつきは殆ど見られず、スリング・スイベルについても現状固着等は見られず、スムーズに動きます。 リア・サイトの調整や本体右側面の装弾孔カバー及び本体上面のスライド式排莢孔カバーの開閉については問題なく行う事が可能です。 オリジナルの白磨き仕上げのさく杖が付属致します。
ベテェーリ系小銃の騎兵銃モデルは殆ど国内には入っていないので希少価値があります。 またModel 1870は国内にあるベテェーリ小銃の中で最も年式が古いモデルです。 トリガーテンションの有る、ボルトが閉じた状態で固定された旧加工品です。(KK)
【その他の情報】
無可動実銃には文章では表現の難しい傷がある場合がございます。 通信販売でご購入される際は、下記の詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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