 |
|
|
|
 |
ダヌビア 43M 短機関銃 (#S-500399)* |
|
 |
 |
|
 |
|
|
▲クリックで拡大画像をご覧いただけます。 Copyright© Chicago Regimentals Co. , Ltd. All Rights Reserved. |
価格(税込)
|
\1,430,000 |
商品番号
|
【5749】 |
英 名
|
Danuvia 43M Sub Machinegun |
種 類
|
短機関銃、一品物、無可動実銃新入荷品 2018年4月、ガゼット Vol. 16、東京店在庫品 |
国 名
|
ハンガリー |
時 代
|
第一次大戦〜第二次大戦 |
全 長
|
947mm(758mm)(実測) |
口 径
|
9mm×25 Mauser Export |
装 弾
数
|
40発 |
在 庫
数
|
限定1品 |
画像について
|
画像は現物です。 |
コメント
|
【ダヌビア 43M 短機関銃について】
43M 短機関銃はハンガリーのダヌビア (Danuvia Gepgyar) 社の銃器設計者であったデダイ・キラーイ・パール (Dedai Kiraly Pal) 技師が設計したハンガリー軍の39M 短機関銃の改良型で、設計者の経歴が本銃の開発に大きく影響しています。 設計者であるキラーイ技師は第一次世界大戦時はオーストリア=ハンガリー帝国陸軍に砲兵大尉として従軍し、自ら自動火器の重要性を認識しました。 第一次大戦後にスイスのSIG社で設計技師として働き、第一次大戦の従軍経験から、SIG KE7 軽機関銃やSIG MKMO 短機関銃などの自動火器を副主任設計者として開発しました。 その後ハンガリーに戻ってダヌビア社に勤務し、1929年には数種類の自動火器の設計をしましたが、軍用としては採用されませんでした。 1930年代後半にキラーイ技師はダヌビア社で9mm×19パラベラム弾より遥かに強力な9mm×25 モーゼル (Export) 弾を使用する短機関銃を開発しました。 これは.45 ACP弾を使用するトンプソンやグリース・ガンに次ぐ強力な短機関銃と言われ、自動小銃と短機関銃の中間的な役割をする突撃銃が出現する以前の新しいカテゴリーの兵器でした。 全長は自動小銃とほぼ同じ長さで、銃身も長く高初速で集弾率もかなり良好でした。 ハンガリー陸軍は当初本銃に対して消極的でしたが、1939年1月25日に「the Haditechnikai Intézet (HTI)=軍事技術研究所 (Institute of Military Technology)」が同盟国であるドイツ軍のMP38 短機関銃とキラーイ技師が設計した9mm×25弾を使用する短機関銃を比較検討した結果、キラーイ技師設計の短機関銃の方が「軽量」「長銃身」「集弾率の良さ」「大容量弾倉」「高い初速」「メンテナンスの容易さ」といった点において勝っているとされ、1939年12月8日ハンガリー陸軍 (Honvédség) によって39M 短機関銃として制式採用されました。 39M 短機関銃は毎分750発という短機関銃としては発射速度は比較的高めであった事から射撃コントロールし難い発射速度と思われますが、大きく頑丈なため集弾率もかなり良くハンガリー軍の兵士からは好評でした。 40連マガジンの装弾数も他の短機関銃に比べ若干多く長めですが、SIG MKMO 短機関銃と同じように前方に折り畳み式が出来るマガジンを使用したため装弾数の多いマガジンでも邪魔になりませんでした。 特筆すべき点として、当時の大国が単純なストレート・ブローバックを採用していた時期にキラーイ技師の特許である「Lever-delayed Blowback」を採用していました。 更にマガジンを折り畳んだ時にマガジン・ハウジング後部のプレートがマガジン・ハウジングに被さり、異物がマガジン・ハウジングから進入することを防ぎます。 このシステムは本銃以外の小火器には見られない独自のものです。 東部戦線で戦ったハンガリー軍が使用した39M 短機関銃は泥まみれの氷点下の戦場でも問題なく作動し、1943年には下方から回転させる折り畳みストックを装備した改良版の43M 短機関銃が採用されました。 本品はこの43M 短機関銃です。 43M 短機関銃はバット・ストックが改良されただけではなく、マガジンも似てはいますがマガジン・リップの耐久性が高くなっており、39M 短機関銃用とは互換性はありません。 39M 短機関銃では垂直に取り付けられたマガジンは43M 短機関銃では僅かに前方に傾いた状態で装着されています。 また、エジェクターもレシーバー側にあったものがボルト・キャリアに移されました。 全長が39Mに比べ75mm短くなっており、それに伴いスリング・ループが下部に付いたセンター・バンドも省略されました。 スリング・ループはフロント・バンドの左側面に移されました。 それに伴いスリングのデザインも変更され43M独自のスリングが採用されました。 マガジンを含む殆どの部品が39Mとは互換性が無く、単に39M 短機関銃の折り畳みストック・バージョンと呼ぶには多くの改良された相違点があります。 また、39Mに比べ39M 短機関銃の総生産数は9,000挺から11,000挺と言われており、43M短機関銃の生産数はさらに少ないとも言われています。 József Kucher技師と Gyárik技師が参加してこのコンパクト・モデルを完成させた事から、43M 短機関銃は「'Gyárik-Kucher Géppisztoly 43M 短機関銃」とも呼ばれました。 43M 短機関銃の殆どは東部戦線で失われ、僅かに残った43M 短機関銃と39M 短機関銃は戦後も短期間使用されました。 第二次世界大戦後に設計者のデダイ・キラーイ・パール技師はスイスに逃れ、1947年にドミニカ共和国へ移住してサン・クリストバル・カービンを開発しました。 サン・クリストバル・カービンは口径が.30 カービン弾を使用する種類上は自動小銃ですが、ダヌビア43M 短機関銃の流れを受け継ぐ形状をしています。
MP40を意識した折り畳み式ストックとグリップは木を多用し、バット・ストックの両側面に木製のパネルを装備し木製単材のグリップはMP40とは大きく異なっています。 自動小銃と同じように着剣装置が付いており、ハンガリー軍の35M 小銃と同じスタンダードな銃剣を装着します。 ハンガリーでは第二次大戦後も39Mと43M 短機関銃を新生ハンガリー陸軍でも1950年代まで使用されましたが、ソビエトの影響 (援助) によりPPSh41 短機関銃に置き換えられ、その後はコレクター市場に流れる事無く (スクラップ) 処分されたと言われています。 終戦の1945年にソビエト軍によって占領されたダヌビア社の生産機械はすべてソ連に持ち去られて39Mと43M共に戦後は生産されませんでした。 1950年以降はM39 短機関銃と43M 短機関銃の残余品は全て処分され、第二次大戦直後に戦勝国に資料として持ち帰られた数十挺のみが世界中に現存するだけとなりました。 本品はその内の一挺で、弊社のオーストリア=ハンガリー・ルートで一挺だけ仕入れに成功した品です。
39M 短機関銃と43M 短機関銃はセレクティブ・ファイアでレシーバー後部に回転式のレバーがレシーバー・カップの前にあり、レバーを回転させる事によってE (Egyes=セミ・オートマチック射撃)、S (Sorozat=フル・オートマチック射撃)、Z (Zart=安全位置)の切り替えが可能でした。 唯一の欠点としては他に9mm×25 モーゼル弾を使用する小火器がなく、戦場での弾薬の供給は自軍の補給ルート以外にはありませんでした。 これは戦場では致命的で、一旦弾薬切れになると、敵味方を含め他の銃の弾薬は流用できませんでした。
東部戦線ではドイツ軍もMP43(u)の名称で使用しました。 弊社でも今後入荷の予定が全く無い希少価値のある品です。 そのユニークな外観、特殊な構造、希少性、程度の良さなどコレクションに入れる素晴らしい多くのようそを持つ品です。 (MM)
【本個体の説明】
機関部左側面にシリアル#S-500399が打刻されており、上面には当時のDanuvia社のロゴが打たれています。 加えて薬室上部に「E」、ストック左側面に大きく「S」と打たれています。 機関部は多少経年が感じられますが表面処理が鮮やかに残っており充分に良い状態を保っています。 表面処理は部品毎に差があり、機関部や銃身はブルーイングが施されており、トリガー・ガード、フロント・バンド、バット・プレートには黒の焼付け塗装仕上げが施されています。 エンド・キャップや銃身は青い色味がでており、機関部は若干赤っぽくなっている印象です。 小さな表面錆が点々と見られる他、ストック基部のスクリューに浅い朽ち込みの跡が見られますが、状態は安定しており劣化が進行している様子は有りません。 黒の焼付け塗装が施されている各部は、塗膜が大変鮮やかです。 全体的に小傷は少ない印象です。
木部は申し分の無い状態で仕上げの艶がしっかりと残っています。 やはり僅かながら小傷は見られますが、割れ・欠けなく角が立っており、本銃の希少性を考えればこれ以上無いコンディションです。 アッパー・ハンドガードは左右に僅かに遊びがありますが仕組み上のものですのでマイナスではなく、折畳みストックに埋め込まれている部品はぐらつき無くぴったりと嵌め込まれています。 特徴的なマガジンの折畳み機能はスムーズに可動し、展開時・収納時ともにしっかりとキャッチが掛かります。 折畳みストックは展開時・収納時ともに若干遊びが見られますが、キャッチ自体は問題なくかかっており、勝手に展開したりすることはありません。 ストックの支柱を握りこむ事でバット・プレートを畳むことが出来ますがこちらはぐらつき無くタイトに固定されます。 機関部後部のセレクターはS・E・Z表記で各ポジションを小気味良く切り替えることができます。 また、Eのポジションでのみ、トリガーの引きが少し浅くなります。 付属のマガジンはブルー仕上げで、こちらも本体同様ブルーが大変鮮やかで小さな表面錆がほんの少し散見される他薄っすらと擦れている箇所も見受けられますが、特筆すべき難はありません。 銃口は丁寧に無可動加工が行われている為、銃口付近のライフリングを確認する事が出来ます。
ボルトが開いた状態で固定された新加工品です。(YS)(MM)
【その他の情報】
無可動実銃には文章では表現の難しい傷がある場合がございます。 通信販売でご購入される際は、下記の詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
|
|
|
 |
|
|
 |
|
 |
|
 |
|  |