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エンフィールド P1858 2バンド 管打式小銃 (銃砲刀剣類登録証付古式銃、TOWER 1865) |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【3729】 |
英 名
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Enfield P1858 2 band Percussion Rifle |
種 類
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古式銃(登録証付)、単発、登録証付古式銃買取品、ガゼット Vol. 13、東京店在庫品 |
国 名
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イギリス |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,242mm |
口 径
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15mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【エンフィールド P1858 2バンド 小銃について】
原型はエンフィールド Pattern 1853 ライフルで、イギリスのエンフィールド造兵廠で開発されたライフリングのある前装式の小銃(施条銃、Rifled Musket)です。 フランスで開発・実用化されたミニエー弾のパテント1851年に英軍需省が取得し、これに改良を加えたエンフィールド弾を使用します。 ミニエー弾は1836年にロンドンの有名なガンスミスであったウィリアム・グリーナー (William Greener) が開発したドングリ型鉛製の弾頭 (プリチェット弾) が原型で、底部に窪みがあり木片で埋められていました。 ミニエーはこの弾頭の周囲に凸型の溝をつけ、底部の木片をコルクに変更しました。 ミニエー弾は、16世紀には既に開発されていたライフリングを銃身内に施した銃と組み合わせて使用されました。 ミニエー弾は発射時の圧力で押し込まれたコルクが鉛弾の底部を外側に膨張させ、弾頭周囲の溝の凸部がライフリングに食い込んで密着して圧力の漏れを防ぎ、ライフリングによる回転を弾頭に与える事に成功しました。 これにより滑腔式小銃では有効射程が50から100ヤードほどしかなかったのに対し、ミニエー弾を使用する小銃では300ヤード (約270m)、最大射程は1000ヤード (約914m) にまで延びました。 尚、実際にエンフィールド 3バンド歩兵銃のリア・サイトの目盛りは1,000ヤードまで設定されていました。 弾頭と装薬 (黒色火薬) は紙製薬筒に包まれており、表面が蜜蝋と動物性油脂の混合物でコーティングされていました。 この弾薬は命中性能が向上しただけではなく、高速で回転した弾頭が体内で変形し致命的な銃創となりました。 また、汚れた動物性油脂にまみれた弾頭が感染症を引き起こし、負傷兵にさらなるダメージを与えました。
日本でも幕末に大量のエンフィールド銃が輸入され、滑腔式であったゲベール銃に対して圧倒的な威力を発揮しました。 日本ではエンフィールドが訛ってエンピロール銃とも呼ばれた他、サイド・プレートにTOWERの刻印が入っている事から、通称タワー・ライフルや漢字で鳥羽 (トバ=タワー) ライフルと呼ばれる事もありました。
Tower軍用刻印はロンドン塔にあった英国政府の銃砲検査機関で軍用として耐えうる品質検査された証です。 同じエンフィールド小銃でもTOWERの刻印の代わりに民間メーカー刻印だけが入っている品もあります。 通常は王冠刻印のみのBirminghamで製造された品の多くが米国に送られ南北戦争に於いて両軍で使用されました。 英国国営造兵廠製か国営造兵廠コントラクト製の品には王冠の下に「V.R」の刻印が入っています。 当時の英国はBirminghamとLondonに集中しており、この王冠はBirmingam銃器製造協会会員のメーカーで製造された品です。 一方、Londonにあったメーカーで作られた品には通常この王冠はなく、メーカー名が入っていました。
エンフィールド Pattern 1853ライフルから更なる改良が施され、Pattern 1856、Pattern 1858、Pattern 1859、Pattern 1860、Pattern 1861といったモデルが採用されました。 エンフィールド小銃は大きく分けて銃身長が短い2バンドと長い3バンド、そしてカービン・モデルを始め多くのバリエーションが製造されました。
Pattern 1856は.577口径のエンフィールド小銃としては初の短小銃 (2バンド) モデルで、33インチ (84cm) の銃身が装備されていましたが、登場時期が遅かったため当時英国が参加していたクリミア戦争に投入される事はありませんでした。 Pattern 1856短小銃は戦列歩兵連隊や小銃旅団、第60連隊、ケープ植民地軍、王立カナダ小銃連隊といった部隊のあらゆる下士官に支給されました。 Pattern 1856小銃のライフリングや弾薬はPattern 1853小銃の物と同様でしたが、銃身がより肉薄となっており、重いヤタガン銃剣を装着すると銃身が曲がってしまう恐れがあった他、連続射撃後に銃身周囲に陽炎が発生するといった欠点が有りました。 Pattern 1856 Type II (No.2) とも呼ばれるPattern 1858はPattern 1856の改良型で、銃身自体はP1856と同じ物が使用されていましたが、ストックがより長い物へと変更された他、P1856では銃身に設けられていた着剣ラグがフロント・バンドへと移される等の強化が行われています。 英国海軍は1858年にPattern 1856小銃と同様のモデルを採用しましたが、この海軍モデルでは銃身がPattern 1856小銃に比べて肉厚となった他、ライフリング条数が3条から5条となり、ライフリング・ピッチも1:48インチとより転度の大きなものに変更されており、命中精度が向上していました。 その後、英国陸軍でもこの海軍モデルと同様のモデルを1860年に採用しました。 この陸軍モデルは海軍モデルと異なり、トリガー・ガードやバット・プレート、ノーズ・キャップ等が真鍮製ではなくケースハードン仕上げの鉄製となっていました。 また、海軍モデルではリア・スリング・スイベルがトリガー・ガード前方に設けられていたのに対し、陸軍モデルではトリガー・ガードよりも後方に取り付けられている点も異なります。 尚、1858年以降に製造された全てのエンフィールド小銃及び短小銃では、銃身内のライフリングの深さが薬室から銃口に向かって浅くなる方式 (Progressive Depth Rifling) へと変更されました。 (MM)(KK)
【本個体の説明】
本品は銃身が2本のバンドで銃床に留められている2バンド小銃で、ノーズ・キャップやトリガー・ガード、バット・プレートが真鍮製となっています。 また、銃身内のライフリングが5本となっている事から、P1856小銃の改良型であるP1858 (海軍モデル) の仕様に近いタイプとなっています。 尚、銃身の着剣ラグは省略されており、フロント・サイトの位置が一般的な2バンド小銃に比べてやや後方に設けられています。
銃床左側面に「明治六年 石鐵縣」「千五百九十三番」の刻印が打たれてあります。 壬申(1872年)刻印が打たれてある品はよく見かけますが、一年後の明治六年(1873年)の刻印が入って入る品はあまりありません。 その当時(1873年以前)から本銃は日本国内にあった事を証明しています。 これらの刻印は古式銃の一種の戸籍番号とも呼ばれるもので、明治5年(1872年)に明治新政府の命令で国内にあった銃砲調査が行われました。 本刻印はその際の登録番号で、明治六年に石鐵縣(石鉄県=いしづちけん)、現在の愛媛県中予地方、東予地方いあったこと示します。 明治4年に6鎮台に分けられた明治陸軍は主力小銃の統一化をはかるため、旧藩の銃砲の種類、丁数の把握が急務となり明治5年(1872年=壬申)に始まり、明治20年頃まで行われました。 明治5年(1872年=壬申)の検査が最も大々的に行われ、今日この種類の刻印の内90-95%が「壬申刻印」です。
全体的に錆、朽ち込みは満遍なくありますが、古式銃としては平均以上の程度と思われます。 サイドプレートの王冠の刻印と「TOWER 1865」の刻印はかなり掠れて見難くなっております。 TOWERは国営銃砲検査機関の検査刻印で1865は1865年製を表します。 機関部はハーフコックとフルコック共に問題なく作動します。リアサイトも錆が出ておりますが、テンションもまだまだしっかり作動します。木部は全体的にまだオリジナルの艶を残しており、大きな欠けなどはありませんが、ストック上面やトリガー上方左側に細いひび割れが確認出来ます。いずれも強度的な問題は感じられません。 さく杖は付属しません。 (MM)(KK)
【その他の情報】
昭和49年2月12日に愛媛県教育委員会により交付され、平成22年8月18日再交付された銃砲刀剣類登録証が付いた、可動する実物の古式銃です。 無可動実銃ではありません。 愛媛県中予地方、東予地方にあった旧石鐵縣の刻印が入っていることから、本銃は100年以上の間、愛媛県にあったことが裏付けられる歴史的にも興味深い品です。
古式銃は約150年以上前の古い機械物の骨董品であり、高価な品でございますので、出来ましたら現物をご確認の上、ご購入いただけますようお願いいたします。 無可動実銃とは異なり作動する機械物ですので、作動や仕上げの確認をご自身で行われる事をお勧めいたします。 通信販売でのご購入を検討される方は、下記リンクの詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。 詳しくは本HPのメニュー・バーにある「Ordering Terms (ご注文について)」の「04. 商品の返品について」をご覧ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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