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【TKS/D】オーガスティン M1842 歩兵銃 (無可動古式銃) |
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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【7222】 |
英 名
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Austrian System Augustin M1842 Tube-lock Musket |
種 類
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古式銃(無可動) 、単発、無可動実銃買取品 2020年 秋、東京店在庫品 |
国 名
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オーストリア |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,460mm(実測) |
口 径
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18mm |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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小型のチューブ型雷管を使用する「チューブ・ロック (Tube-lock)」と呼ばれる特殊な方式により発射薬への点火を行う、先込式の単発小銃です。 雷管を撃発する機構はフリント・ロック方式に近い構造となっています。 本銃はフリント・ロック (火打石式) から管打式に移行するまでの過渡期に登場したモデルで、銃の発火方式の変遷を辿る上でも重要な位置付けの品です。
【オーガスティン M1842 歩兵銃 について】
オーストリア帝国で開発された.72口径の先込単発式小銃で、小型のチューブ型雷管を使用する「チューブ・ロック (Tube-lock)」と呼ばれる特殊な方式により撃発を行います。
本銃の撃発機構はウィーンの造兵廠で小火器・大砲類の主任検査官を務めていたヴィンセンツ・フォン・アウグスティン (Vincenz von Augustin) により開発され、フリント・ロック方式に近い構造のサイド・ロックにより撃発を行いました。
オーストリアにおけるチューブ型雷管を使用する小銃の開発は、1820年代後半から本格的に始まりました。 当時のオーストリアでは約80万挺ものフリント・ロック式小火器が配備されており、それら全てを完全新規設計の雷管式小銃へと更新する事は、軍事予算や兵士の訓練にかかる時間・コストの関係上不可能であった事から、既存のフリント・ロックを基に雷管式へとする事が求められました。 その後、ミラノ出身の税関職員ジュゼッペ・コンゾーレ (Giuseppe Console) により1831年にチューブ・ロック方式に関するパテントが取得され、このパテントを用いた小銃の開発が行われました。 コンゾーレの開発したこのチューブ・ロック方式は、従来のフリント・ロック小銃を基に、点火薬を載せる火皿 (パン) をチューブ型雷管に適合する物へと交換した他、パンに載せた雷管を撃発できるようフリズンの形状が変更されていました。 1835年にはこのコンゾーレ式チューブ・ロック方式へと改修された1807/35M 猟兵銃のトライアルがオーストリア軍の第6猟兵連隊において行われ、良好な成績を修めました。 その後、オーストリア皇帝によりオーストリア全軍の小銃をコンゾーレ式チューブ・ロック方式へと更新可能か否かを検討する為の委員会が設置され、トライアルが続けられました。 尚、この委員会のメンバーである3人の将校の中には、ヴィンセンツ・フォン・アウグスティンも含まれていました。 トライアルでは、コンゾーレ方式の装填速度の速さや高い射撃精度、水への耐久性などが評価されたものの、当時ウィーン造兵廠の長であったナターリス・フィーリクス ベロアルド・ビアンキーニ (Natalis-Felix Beroaldo-Bianchini) により弾薬や銃の構造に関する幾つかの難点が指摘されました。 その為、それらの欠点を解消する為にアウグスティンによって開発されたのが本銃です。
本銃ではフリント・ロック方式におけるフリズンに類似した「Deckel (デッケル)」と呼ばれる開閉する "蓋" を開く事により、雷管の取り付け部 (フリント・ロック方式におけるパンに相当) が露出し、この部分に雷管を取り付けてからデッケルを閉じて発射準備を行います。 この開閉式のデッケルは、板バネにより開閉時にテンションがかかっており、デッケル上部には撃鉄の打撃力を内部の雷管に伝達する為の「Zahn (ツァーン=歯)」と呼ばれるボタン状の撃針が取り付けられています。 撃針の先端は尖った形状となっており、トリガーを引いてハンマーが撃針のボタン部分を打撃すると、デッケル内部の撃針先端が雷管を突いて発火させました。 尚、デッケルを勢いよく閉めた場合に撃針先端が雷管を突いて暴発してしまわないよう、撃針は軽量に作られており、さらにデッケルに対して緩く固定されているのみで自由に上下できる構造となっていました。
オーガスティン小銃のもう一つの特徴として、銃身後部の火穴からパンまでは「Kern (ケアン=芯)」と呼ばれる筒状の部品が設けられている点が挙げられます。 雷管はこの筒状部分に半分挿し込む形で装着されました。 オーガスティン小銃以前のコンゾーレ方式などでは、パンと銃身の火穴の位置が厳密に調整されていない個体が多く、雷管撃発時の火花が火穴に導かれず不発となる場合が多く見られましたが、オーガスティンはケアンを追加する事によりこれを克服しました。
本銃の製造には状態さえ良ければフリント・ロック用の銃身も理論上は流用が可能でしたが、従来のオーストリア軍用フリント・ロック式小銃とはロックの形状が完全に異なっており、結果的には完全な新規製造が行われました。 本銃はオーストリア政府と契約したウィーンのフェルディナント・フリューヴァート (Ferdinand Früwirth) を始めとする複数のプライベート・コントラクターにより製造が行われ、少なくとも25,000挺が南北戦争中に米国武器省により調達が行われました。
本銃はフリント・ロック (火打石式) から管打ち式への変遷を辿る上でも重要な位置付けの銃となっています。 (KK)
【本個体の説明】
本品は全体に製造時期を考慮すれば非常に良好な状態が保たれています。 白磨き仕上げのサイド・ロックや銃身、トリガー・ガードといった金属部は、やや時代錆や一部に表面錆痕は見られるものの、目立った欠損等は見受けられず、総じてしっかりとした状態が保たれています。 本品のサイド・ロックにはやや確認し辛いもののハプスブルク家の双頭の鷲と思われる刻印が入っている他、銃身後端上部に筆記体の「GB」刻印、サイド・プレートに「LF」の刻印、トリガー・ガード上方のストック左側面に「A」の刻印等、各部にプルーフ刻印が見られます。 木部についても若干の打ち傷等を除いて、大きな欠損等は見受けられず、こちらも総じて良好な状態が保たれています。 アッパー・タング後方やバット・プレート取り付け部上部付近の木部に若干のひびが見られますが、いずれも強度的には影響の無いレベルのものです。 傷み易いバット・プレート部についても、若干の小傷を除いて目立った変形や腐食等は見られません。 バット・プレートと銃床の間に僅かに隙間が見られるものの、銃床への取り付けについてもガタつきもなくしっかりとしています。 センター・バンドの取り付けに僅かに遊びが見られますが、固定自体はしっかりとしており、簡単に抜けてしまうような事はありません。 また、フロント・バンドとリア・バンドの取り付けにはガタつきは見られません。 フロント及びリア・スイベルは現状では固着は見られません。 オリジナルのラム・ロッド (さく杖) が付属致します。
トリガーテンションは有りませんが、特徴的なデッケル (蓋) 部分はしっかりとテンションが掛かっており開閉も問題なく可能です。 ハンマーはトリガーとの連動やテンションはありませんが前後に可動致します。(KK)
【その他の情報】
無可動実銃には文章では表現の難しい傷がある場合がございます。 通信販売でご購入される際は、下記の詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
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