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ヴェルンドル M1867/77 猟兵銃 (無可動古式銃、1870年製) |
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価格(税込)
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\418,000 |
商品番号
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【5272】 |
英 名
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Werndl M1867/77 Jager Rifle |
種 類
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古式銃(無可動) 、単発、一品物、ガゼット Vol. 16、長野倉庫在庫品 |
国 名
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オーストリア |
時 代
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第一次大戦前(〜1914) |
全 長
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1,285mm |
口 径
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11mm×58R |
装 弾
数
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単発 |
在 庫
数
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非公開 |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【ヴェルンドル M1867/77 猟兵銃について】
ヴェルンドル M1867 小銃は、前装式のローレンツ小銃を後装式に改造したウェンツェル(Wanzl) 小銃の後にオーストリア軍に正式採用された主力小銃です。 当時の後装式の多くは前装式の薬室部分が前または側面に開く構造でしたが、ヴェルンドル小銃は当初から後装式として設計されていました。 ヴェルンドル小銃の特徴であるドラム式ブリーチはシンプルかつ堅牢であり、腔圧によってブリーチが吹き飛ぶ心配もない優れた構造でした。 また、ドラム式ブリーチを回転させて開く際にエキストラクターが非常にシンプルな構造によって連動し、自動的に排莢する事が可能でした。 尚、撃発機構は当時の一般的なバック・ロックのサイド・ロック・ システムを用いていました。
ヴェルンドル小銃はオーストリアのシュタイアー生まれのジョセフ・ヴェルンドル (Josef Werndl, 1831–1889) とカレル・ホーラブ (Karel Holub, 1830–1903) による共同設計でしたが、後にヴェルンドルが全ての権利を買取って、ヴェルンドルが経営するステアー社 " Osterreichische Waffenfabriksgesellschaft " (OWG、オーストリアン武器製造会社) で独占的に製造し、後のステアー・マンリヒャー社をオーストリア最大の銃器メーカーにしました。 元々ステアーの街はオーストリアのErzberg炭鉱から伸びる「鉄の道」に位置し、兵器の生産が盛んな地域でした。 そこで鍛冶屋をしていたジョゼフの父のレオパルド・ヴェルンドル (Leopold Werndl, 1797-1855年) が1821年より銃の部品の製造を開始しました。 父の他界後に25歳のジョゼフが家督を継ぎ、1867年のヴェルンドル小銃の開発で事業を広げた後に、ヨーロッパで最も大きな銃器製造会社と言われるまでに発展しました。 約50万挺とも言われるオーストリア帝国主力小銃を独占的製造の利権が本銃のシンプルなドラム式ブリーチの発明によって得られた事は非常に興味深い事です。
ヴェルンドル小銃には、M1867、M1867/77、M1873、M1877の基本的な歩兵銃モデルに加え、全長が異なるバリエーションが存在します。 銃身が歩兵銃より僅かに短くトリガー・ガードに指掛けが付いた猟兵銃、乗馬部隊用に短い銃身を備えた騎兵銃などがその代表的なものです。 ヴェルンドル小銃は改良が繰り返され、M1877を最後にKropatschek M1881 小銃を経てマンリッカー M1895 小銃へとオーストリア軍の制式小銃の座が引き継がれました。 ヴェルンドル M1867 歩兵銃は、その登場がもう数年早ければ1866年の普墺戦争 (プロイセン=オーストリア戦争) でプロイセン軍に惨敗する事はなかったと言われるほど優れた小銃でした。 M1867/77はM1867の改良モデルで、使用弾薬が11,15mm×42R弾から11mm×58R弾へと変更されたモデルです。 (MM)(KK)
本モデル以外にもヴェルンドル 小銃の異なるモデルの在庫がございます。 詳しくはこちら
【本個体の説明】
本品は1870年に製造された個体で、サイド・プレートには「870」の製造年号が入っている他、薬室上部には「WERNDL」の刻印が入っています。 オーストリア軍は伝統的に1800年代の最初の「1」を省略するので、1870年製であることが判ります。 また、銃身後部上方に「St.71」及び「St.81」の刻印が入っており、1881年にステアー社で最終調整された事が判ります。 その他、バット・プレート上部には「IX.L St.B. 9150」の配備部隊番号刻印も確認できます。 L St.B.は即応予備役部隊を意味するLandstrum Bataillonを略したものです。
本品の銃身やトリガー・ガードといった金属部は経年によるエイジ・パティーナと呼ばれる落ち着いた時代錆が表れており、一部に表面仕上げが薄くなって金属の地肌が表れている箇所が見受けられるものの、目立った朽ち込み等は見受けられず、製造された年代を考慮すれば全体に比較的良好な状態が保たれています。 ブリーチ・ブロックやハンマー、サイド・プレートについては白磨き仕上げとなっており、こちらも目立った朽ち込み等は見られず良好な状態が保たれています。 傷み易いバット・プレートについても目立った変形や錆等は見られず、銃床への取り付けもガタつきもなくしっかりとしています。 木製銃床については極僅かな経年使用による小傷は見受けられるものの、大きな破損や痩せ等は見られず、こちらも非常に良好な状態が保たれています。 唯一バット・ストック右側面下部に長さ8cm程度のクラックが見受けられますが、強度的には影響のないレベルのものです。 総じて140年以上前に作られた品なりの時代感は見られるものの、良好な状態が保たれています。 リア・サイトの起倒・調整操作については問題なく行う事が可能です。 リア・サイト基部にはメーカーのロゴ刻印が見られます。 本品の特徴であるドラム式ブリーチの下部が中心部分に向かって無可動加工の為に削り取られていますが、ブリーチを閉じた状態では外見からは加工は判りません。 ブリーチはオリジナル通りスプリングのテンションと共に手動回転します。 また、ブリーチの回転と連動して薬室内のエキストラクターがオリジナル通りに後部へ下がり、ブリーチを閉鎖すると同時に前方に移動します。 ハンマーはメイン・スプリングによるテンションはありませんが、前後に動きます。 トリガーのテンションはありません。 鉄製さく杖が付属致します。 国内では登録証交付の対象外となる為、無可動実銃としてしか所持ができませんが、無可動であるが故に非常にお値打ち価格になっています。 19世紀のオーストリア軍を語る上で欠かせない一挺です。(KK)
【その他の情報】
無可動実銃には文章では表現の難しい傷がある場合がございます。 通信販売でご購入される際は、下記の詳細画像 (Detailed Photos) を十分ご確認いただいた上でご注文ください。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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