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価格(税込)
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SOLD OUT |
商品番号
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【4443】 |
英 名
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Siamese Mauser Type 46 Rifle |
種 類
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ボルト・アクション、一品物、動画有り、無可動実銃買取品 2016年 冬 、ガゼット Vol. 16、東京店在庫品 |
国 名
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タイ / 日本 |
時 代
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第一次大戦〜第二次大戦 |
全 長
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1,248mm |
口 径
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8mm (8 x 50Rmm弾) |
装 弾
数
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5発 |
在 庫
数
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SOLD OUT |
画像について
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画像は現物です。 |
コメント
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【シャム モーゼル 46式小銃について】
1903年にシャム王国(当時、現タイ王国)が採用した日本製のモーゼル型小銃です。 制式年がタイ仏暦の2446年に当たるので海外ではSiamese Mauser Type 46 Rifle(Wikipediaなど一部ではType 45の表記あり)、またM1903とも呼ばれています。 1903 年から1908年の間、東京砲兵工廠小石川工場で約40万丁が生産され20年間シャム王国陸軍で主力小銃として使用されました。
19世紀末のシャム王国は日本を除く東南アジアの国々の中で欧米の植民地化を逃れた唯一の独立国でしたが英国とフランスの植民地に挟まれた状態で、ヨーロッパ帝国主義が身近に迫っていました。 それが故にチャックリー改革と呼ばれる近代化を19世紀初頭から始めました。 まず取り組んだのは小火器の近代化でした。 ラーマ5世(在位1868-1910年、Chulalongkorn王)は欧米製の小火器をそのまま使用するのではなく独自の小火器を装備することが独立国の条件の一つという先進的な考えを持っていました。
また英仏は他の欧米の小火器生産国に圧力をかけて、シャム王国に最新の小火器を販売しないようにしたのも大きな理由でした。 当時兵器の輸出に積極的であった日本が欧米の国々に代わりシャム王国と繋がりを強くし、それは第二次大戦中まで続きました。
シャム王国は独自の小銃を採用するまではオーストリア帝国の マンリカー M1888と M1888/90を主力小銃として使用していました。 1890年台に輸入したそれらはオーストリア帝国陸軍で使い古された品で20世紀に入ると旧式化していました。 しかしながらオーストリア軍のM1888/90用である8 x50R弾はシャム王国軍に強い印象を与え、1902年(タイ仏暦の2445年)には独自の45式 8 x50R弾を制式採用しました。 そして多くの障害を超えドイツのモーゼル社から最新のM1898型小銃の製造ライセンスを得ることに成功しました。 その当時、多くの国(特にモーゼル社から兵器の供給を受けていた国々)が一つ前のM1896型を使用していたのを考えると最新小銃といえます。 しかしながらシャム王国では小銃の国産化をする能力はなく日本に生産を委ねました。 ストックとストック金具はシャム王国で生産したと言われていますが、現物を見る限り日本製のようにも思われます。 後に制式小銃となった66式小銃のストックは明らかに日本製とは異なっていました。 シャム王国では単にM1898型小銃のライセンス生産を日本に注文したのではなく、1902年(明治35年)に日本海軍で採用された最新兵器である「三十五年式海軍銃」の遊底覆を追加してあります。 またバット・ストック内にクリーニング・キットを収納するスペースも追加されています。 その蓋は右側面にスライドして開く手の凝った作りになっています。 ドイツのメカニズムと日本の製造力とアイデア(遊底覆)が融合した新型の小銃にはそれまでのオーストリア軍の影響は使用弾(8 x50R)とマンリカー1888小銃型銃剣にのみ残りました。
旧式の8x50R弾(Type 45弾)が円頭型(蛋形)弾頭であったのに代わってタイ仏暦の2466年に新しく8x52R尖頭弾(Type 66弾)が制式となりましたがケース長(薬莢長)が約2mm長いため、弾薬の互換性がなくなり、多くの46式がリチャンバーされ46/66式として使用されました。 その為オリジナル口径の46式小銃の現存数は少ないものとなっています。 旧軍の三十年式実包(円頭型)と三八式実包(尖頭型)に互換性があったのと比べ非効率になっています。
余談になりますが46式小銃のモデル名がType 45(45式)と表記されることもありますが、それには三つの説がありました。 一つは西暦が1月1日から始まるのに対して仏暦では異なるので同じ1903年でもタイ仏暦では2445年と2446年に当るので両方のモデル名(年号)が存在する説(通常は西暦に543年を足すとタイの仏暦になります)。 もう一説は単に使用弾であるタイ軍用の8 x 50R弾が前年制式となってType 45 Siamese 8 x 50Rと呼ばれていたので、その弾薬を使用するシャム モーゼルを同じType 45とした説。 最後の説は仏滅紀元元年が一年異なるミャンマーやスリランカなどの旧英領の年号を英語圏の人間が一年違って表記した説。 (ミャンマーやスリランカ仏暦はタイ仏暦プラス1年なので1903年=2447年となるので最後の説はありえないと思います)
【本個体の説明】
本個体の薬室上部には「O&B 1623」の刻印が見受けら、タイ国章は入っていません。 金属部は全体的に表面的な経年の退色と変色が見られます。 リア・サイトやトリガー・ガード等は他の部分に比べブルー仕上げが残って残っています。 銃身は僅かに表面錆があるものの、オリジナルの雰囲気を残していますが、表面にダマスカス模様のように見えます。 遊底覆は少々退色して経年の変色が見られますが、許容範囲
です。見受けられず傷のつきやすいバット・プレートは殆どが地金でそれに伴い表面錆が見受けられますが、朽ち込み錆には至っていません。木部は全体がやや濃い色味で揃っています。 木部全体に小傷が散見され、特に銃床下面に打ち傷が目立つ印象ですが、どの傷も程度は差が有りますが時代が付いており、雰囲気は落ち着いています。 しいて言えばセンター・バンドを外す時に付いたストック前部下方の傷が気になるかも知れません。 バット・プレートの根元辺り(バット・プレートと接している下側)に欠けが見受けられますが、やはり傷口には時代がついいており、大きく外観を損なうものではありません。 バット・プレート近くの下面に「彦長」を意匠化した刻印が打たれています。 その事からストックは日本製だと思います。 その他にも漢字の「西」を意匠化した刻印などが打たれています。 弾倉底板、防塵カバー、リアサイト・リーフ、前後のスリング・スイベルはスムーズに動作します。
希少性がある品ですので、シャム王国(タイ王国)の兵器や20世紀初頭のボルト・アクション、日本製の銃器にご興味がある方に是非お勧めしたい一挺です。 さく杖は付属していません。 トリガー・テンションのある、ボルトが閉じた状態で固定された旧加工品です。 (YS)
シャム王国の日本製小銃に関する弊社ブログ記事 (Part1 Part2 Part3)
動画はこちら
【その他の情報】
無可動実銃には文章では表現の難しい傷がある場合があります。 通信販売でご購入される際は、下記の詳細画像(Detailed Photos)を十分ご確認頂いた上でご注文下さい。
詳細画像(Detailed Photos)はこちら
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